「決着」

私は私の人生の中で
あの出来事に決着をつけなければならないし
彼は彼の人生の中で決着をつけなければならない
それぞれの道なのだ

一緒に進まないと決めた時に
課題はそれぞれに残された
相手がどうということではなく
きっと思うことは違うはずで
同じ境地には達し得ない

ひとつの出来事を双方の見方で体験し
それぞれの感覚で受け止めた
それぞれ違う形の傷を自分で癒すしかない
相手にはわかりっこないのだ
私の傷の深さなど

わかりあえない相手に同意を求めるのはやめよう
謝罪も涙も悔恨も 求めて救われるわけじゃない
私たちはそれぞれの人生の中で
あの出来事に決着をつけなければならない




銀色夏生さんの詩集「風は君に属するか」より

銀色夏生

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